このめんどくさいがたまんない。 | ヤマハ発動機
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「このめんどくさいが たまんない。」
ムービーのキャストとして出演した
ヤマハ発動機の社員によるぶっちゃけ座談会

座談会の様子

鳥居:今回は、私も含め「このめんどくさいがたまんない」のムービーに出演したメンバーで、バイクにまつわるさまざまなエピソードなどを語っていければと思います。まず最初に、自己紹介をお願いします。

渡邉 祐也

渡邉 祐也
プロダクトデザイン部・デザイン企画

滝藤 学

滝藤 学
プロダクトデザイン部・デザイン企画

福嶋 愛理

福嶋 愛理
実験ライダー(元レーサー)

鳥居 優希菜

鳥居 優希菜
ブランドマーケティング

渡邉:プロダクトデザインを手がけている、渡邉 祐也です。モーターサイクルのデザインやカラーリングを行いつつ、広告の戦略やグラフィックなども担当しています。

滝藤:滝藤 学と申します。モーターサイクルのスタイリングデザインを企画しております。よろしくお願いいたします。

福嶋:車両実験を行う部署に所属する、福嶋 愛理です。ヤマハ発動機に入社する以前は、ロードレース選手権などに出場するレーシングライダーをやっていました。

鳥居:この座談会の進行を担当させて頂きます、鳥居 優希菜です。私は、ウェブサイトやデジタルコンテンツの運営など、ブランディングに関わる仕事を担当しております。中型免許は持っているのですが、バイクは所有したことがなく、ツーリングに行くときはレンタルする初心者ライダーです。
「このめんどくさいがたまんない」ムービーに出演した際のエピソードや裏話などがあれば教えてください。

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「このめんどくさいがたまんない。」
ムービー裏話と「俺のガレージ」

座談会の様子

渡邉:今回、僕はバイクの整備をしているシーンに出演させて頂いたのですが、その撮影場所というのが本当に僕のガレージで(笑)。自分が出演するだけでなく、ガレージも使うことになるとは本当に驚きましたね。

鳥居:すごくかっこいい空間ですよね。

渡邉:撮影当日は自宅前に機材車が4台ほど来たこともあって、「何をやっているんだろう」って町内がざわついて(笑)。でも「YAMAHAでこういう企画の撮影をしているんですよ」って話をすると、普段バイクに接していない方も興味を持ってくださったのが嬉しかったですね。

滝藤:めちゃめちゃかっこいい空間なんです。そこでお酒やコーヒーを飲んでいたいなっていう。しかもそこでテレワークもされてるっていう。

渡邉:けっこう仕事とプライベートとの境界が曖昧になっているところはあるかもしれません。

鳥居:実際、バイクやガレージを眺めながら、お酒など飲んだりしますか?

渡邉:僕、お酒飲めないんで。ジュース飲んでます(笑)。

鳥居:本当に素敵なガレージですが、どれぐらいの期間で作り上げたのですか?

座談会の様子
座談会の様子

渡邉:5、6年前に家を建てた際に一緒にガレージも作って、それまでずっと集めていたお気に入りのパーツや道具などを配置をしたんです。そこから徐々に整備のしやすさや見た目のかっこよさなども考えつつ、少しずつ作り上げていって。
「実際のガレージで撮影したい」というお話を頂いた時、ディレクターの方が「撮影のために作ったガレージでは実際にバイクを整備している雰囲気が出ないから、バイク乗りにはすぐにバレてしまう」ということをおっしゃっていて。そういう意味で、僕のガレージが認めてもらえたようで嬉しかったですね。

滝藤:僕も渡邉さんのガレージに何回も遊びに行かせてもらって、バイクを整備させてもらったりとお世話になってるんです。かっこいいだけでなく、本当に整備もしやすいんですよね。

鳥居:整備している時って、やっぱり楽しくてワクワクしますか?

渡邉:不思議と、整備している時は無心なんですよね。磨きをかけている時でもパーツを交換する時でも、作業に集中しているので。いちばんワクワクした気持ちになるのは、カスタムする前のバイクを見ながら「ここをどんなパーツに変えたらもっとよくなるかな」って妄想してる時。それと、カスタムが終わった後のバイクを眺めている時が楽しいですね。

滝藤:僕が出演したのは、汗だくになりながら車両のオイル交換をするシーンです。真夏で外だったので、とにかく暑かった。福嶋さんと一緒にツーリングしているシーンは何度も何度もやり直したのですが、初めての体験で非常に面白かったですね。

福嶋:あの橋のところでの撮影は、楽しかったですね。

鳥居:プライベートでも、オイルの交換は自分でやられているんですか?

滝藤:そうですね。それこそ「オイル交換、めんどくさいな」っていう気持ちと、「交換してうまく動いて欲しいな」って気持ちと、両方あります。でも、終わった後にはやっぱり達成感がありますね。そして「次に乗るのが楽しみだな」って気持ちが湧いてきます。

座談会の様子
座談会の様子
座談会の様子

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愛着の湧いたバイクは
「映え写真」を撮りたくなる

座談会の様子

福嶋:私が出演したのは、ツーリング先でYZF-R1の写真を撮るために悪戦苦闘しているシーン。バイクを押したり引いたりしながら、いい画角を探して地面に転がったりして。撮影時は夕陽が眩しくてなかなか目が開けられなかったんですが、撮影クルーの方がなんとかいいアングルを探し出してくれて、すごく素敵に撮ってくれました。YZF-R1って大きくて重いから、動かすのも一苦労なんですよね。

滝藤:確かにめんどくさいことをしてますね(笑)。

福嶋:そう、めんどくさいんです。しかもYZF-R1は本当に大きいから、それに角度をつけたり場所を調整するのはけっこう大変でしたね。

座談会の様子
座談会の様子

滝藤:僕もバイクの写真を撮るのが好きなんです。いま乗っているのはTW225なんですけど、渡邉さんのガレージで整備した時に撮った写真を、携帯の待ち受けにしてますね。朝早く目が覚めた時なども、朝日に映えるバイクと田んぼの風景などを撮影して楽しんだりしています。

渡邉:僕もバイクの写真を撮るんですが、バイクの全体像というよりは、磨き込んだハンドルや、好きなパーツに寄った写真を撮るのが好きですね。「この角度からがかっこいいんだよなぁ」なんて考えながら。

鳥居:バイクって自分で整備することで、どんどんかわいく思えてくるものですか?

渡邉:僕が大学生の時に初めて買ったバイクは、30年前に製造された50ccのミッション車だったんです。初めからパーツがなかったりと不具合を抱えてる状態で。でも、ひとつパーツを変えるだけで如実によくなったりするんですよね。バイクって、機械でありながら愛着も湧くし、整備すると生き物みたいに自分に懐いてくるようで、かわいく思えてきますね。

座談会の様子
座談会の様子

鳥居:赤ちゃんがどうして泣いてるかわからない時に、なんとかコミュニケーションを取ることで泣きやんでくれる感じにも似ているのかもしれませんね。

渡邉:自分じゃ解決できないような故障の時に、先輩や知り合いの方に知見をお借りして一緒に直すこともあるんですが、その「一緒に修理した」っていうこと自体もいいんですよね。なんかこう、人に話したくなるような思い出になったりする。そういう思い出も込みで、「バイクっていいな」って思います。

滝藤:僕のバイクの調子が悪くなった時、渡邉さんのガレージで、ベテランの先輩にも手助けをしてもらいながら修理をしたんです。クラッチプレートの交換をしても動かないくらいの状態で。先輩がいろんなことを試してくれて、なんとかエンジンがかかった! って瞬間、そのまま外に走り出しちゃって(笑)。

渡邉:あれはなかなか面白かったね! 持ち主よりも先に楽しんじゃうっていう(笑)。仕事の先輩後輩という関係性だったとしても、プライベートでバイクをいじっている時には、対等な友達関係になれるんです。年齢とか立場を超えて無心になって楽しめるところが、モーターサイクルの良さなのかな、って思います。

鳥居:私が出演したのは、森の中でビーノの荷台にキャンプ用品をくくりつけるというシーン。長袖に長ズボン姿だったので、かなり暑かったのを思い出します。自分で試行錯誤しながら荷物を固定するのは、意外と難しかったです。緩くてもダメだし、きつく締めすぎても紐が足りなくなったりと、けっこう苦戦したんですよね。

滝藤:積載ひとつにしても、バイクはいろいろ考えることも多いよね。落ちないようにするっていうのが大前提にあるだけでなく、見た目もかっこよくしたいっていう気持ちもあるし。

座談会の様子
座談会の様子
座談会の様子
座談会の様子

福嶋:バッグをつけるかどうかというのもありますしね。

鳥居:そうなんです。ビーノは「ゆるキャン△*」で志摩リンちゃんが乗っているモデルで、すごいかわいいですよね。私もリンちゃんみたいに、バイクでキャンプに行ったり、山の中の道を走ったりしたいなって思いました。



*TVアニメーション『ゆるキャン△』シリーズ公式HPnew window

3
「めんどくさい」を超える
「バイクの魅力」

滝藤:なんだかんだ言って、50ccからバイクにハマったって人も多いですよね。僕も大学生の時に50ccのバイクに乗ったのがきっかけなんです。アクセルを回しながら感じる疾走感と流れる景色に、すごい感動しちゃって。バイクに興味があるのなら、まずは50ccに乗ってみるのがいいと思います。車の免許でも乗れますしね。

鳥居:バイクに慣れてない時って、乗る時に毎回不安もあるんですよ。でも、ちゃんとクラッチ操作できたとか、転ばずに乗れたとか、今までできなかったことができた時、自分の中ですごく成長や達成感を感じることができるんですよね。

座談会の様子
座談会の様子

滝藤:乗るごとにうまくなっていくしね。やっぱり簡単に乗れるものじゃないからこそ、っていうのもあるかもしれないですね。

鳥居:車と違って風を感じることができるし、自転車よりも楽に遠くまで行ける。バイクでしか感じることのできない良さがあるなって、すごく思いますね。私はまだバイクに慣れていないので、正直不安もあるんです。でも、乗るごとに成長していって、どんどん遠くまで行けようになることに、達成感を感じますね。「このバイクは私の下半身だ」って思えるようになって、バイクに乗ることが怖くなくなった時には、本当に嬉しかったですね。

滝藤:それは本当に成長してる証ですね!

渡邉:バイクって、「自分じゃこのマシンは扱えないな」って思った途端にものすごい怖くなるんです。でも、思い通りに扱えるようになると「こんなに楽しい乗り物があるのか」って感じる。マシンと一緒に成長する感じが味わえるのも、バイクの良さだなと思います。

福嶋:雨が降ってきてカッパを着る時には、やっぱりめんどくさい。でも、そんな時こそ目的地に到着できた時の達成感は格別なんです。バイクって、自然と対峙するからこそ肌で季節感も感じられる。それと同時に、乗ることで神経を研ぎ澄すことのできる乗り物なのかもしれないって思います。

座談会の様子
座談会の様子

渡邉:僕は大型バイクも好きなんですけど、ちっちゃいバイクも好きなんです。通勤でもツーリングでも、50ccから125ccぐらいのバイクに乗っていると、車で通勤していたら気付かない抜け道なんかにも気付くことができる。「そこにちょっと入ってみようかな」って行くと、「あ、この道に繋がってたんだ!」なんてことに気付くことができるんです。

滝藤:小学生のちょっとした冒険みたいですね。祐也さん、こんなに背は高いのに、ちっちゃいバイクもいっぱい持ってますもんね。

渡邉:そんなスピードとかパフォーマンスとは違った楽しみが、小さなバイクには広がってるなと思います。

鳥居:「めんどくさいけど楽しい」ってことで言うと、メイクもそうですね。バイクに乗る時って、けっこう日焼けが怖いんです。だからしっかり日焼け止めを塗るんですけど、フルフェイスヘルメットを脱ぐ時に取れちゃうし、ヘルメットもちょっと汚れちゃう。でも、乗って走り出すと、もうそんなことは忘れちゃうんです。「この茶畑、すごく綺麗だな」って景色を楽しんだり、自分の走りに集中してるうちに全てを忘れられるのも、バイクの魅力ですね。

座談会の様子
座談会の様子

福嶋:ファンデーションは持っていかれちゃうし、顔も前髪も崩れちゃうんですよね。私はヘルメットを脱いだ時には、いつも帽子を被るようにしてます。バイク乗りの必需品ですよね

鳥居:服装やグッズとかを選ぶ楽しみもありますよね。皆さんのバイクグッズへのこだわりなども教えてください。

渡邉:モーターサイクルって、着ているファッションとバイクが調和してないと、かっこよく見えないと思うんですよね。だから、乗っているバイクのスタイルや色に合わせて、その日のコーディネートを考えるようにしています。

滝藤:僕はバイクに乗る時は、革ジャン着たくなるんです。でもバイクのジャンルに合わせたい気持ちもあって。車と違って、バイクとファッションが調和しているかどうかっていうのは、無意識に考えているかもしれないですね。ヘルメットにしても、オフロード、クラシックと、形も色もいっぱいあるじゃないですか。人から見られるって意識もあるけど、自分として満足できるファッションをすることができるというのも、楽しみの1つかもしれないですね。

鳥居:バイクも含めたトータルで、自己表現するみたいな感じですね。

渡邉:バイクファッションもガレージもそうだと思うんですが、その人の好きなものだったり、いいと思うものが反映されているんですよね。自分のセンスや価値観を表現できるというのが、楽しいんじゃないかと思います。

座談会の様子

4
グループツーリングの「楽しみ」と
「不思議な一体感」

座談会の様子

鳥居:写真を撮ったりグルメスポットを巡ったりと、ツーリングもさまざまな楽しみ方がありますが、皆さんのツーリングの楽しみかたなどはありますか?

福嶋:ツーリング前に仲間と一緒にGoogleマップを見ながら、新しい道や通ったことないようなルートを探して「こっちのルートで行ってみようか」なんて話している時も楽しいですよね。
実験部署のメンバーでツーリングに行くことも多いのですが、そうすると山ルートになることが多いですね。なんだかんだでプライベートとは言っても、乗車感を考えながらの乗る人が多いんです。だから、坂道や急カーブでの乗り心地を試してみたい、なんて考えちゃうんですよね。さらに最近では電子制御などもあるから、高速道路でACC(車間距離制御装置)が使えるかな、なんてことを無意識に考えながらルートを選んじゃうんです(笑)。

滝藤:それは特殊なツーリングですね(笑)。福嶋さんはレーサー出身ですが、レースをやっていた時と現在で、考え方などは変わりましたか?

福嶋:かなり考え方は変わりましたね。レースには勝ち負けがあるので、以前はどれだけ早く走れるかというのを軸にした考え方だったんです。現在は主に街乗りの人を想定したバイクの開発に携わっているので、生活の足として使う人やツーリングを楽しむ人たちの視点で、快適さや楽しさを追求するような考え方に変わってきました。

座談会の様子

鳥居:私はまだまだ未熟なライダーなので、ツーリングといっても近場が多いですね。1時間ぐらいで行けるデイキャンプ場を目的地にして、バーベキューを楽しんだ後に、景色のいいスポットを探して寄り道する、みたいな感じで、ツーリングも楽しみつつ、他のレジャーもプランに入れるようにしています。バイクって、仲間と一緒に楽しめるのも魅力かなと思っていて。ツーリングで仲良くなって、絆が深まっていく感じがいいなぁ、って思うんですよね。

座談会の様子
座談会の様子

滝藤:バイクに乗らない人にツーリングの話をしたりすると、「バイクって1人で乗ってるのに、どうしてみんなで一緒に行ってるの?」なんて言われたりもします。
でも、ツーリングした人にしかわからない、不思議な一体感があると思うんです。みんなで同じ風景を見ながら走ったあと、「あそこは絶景だったよね!」なんて話すのが楽しい。もしおしゃべりを楽しみたいのなら、今はインカムなんて便利なものだってあるし。同じ目的地を目指してバイクで一緒に走って、目的地ではみんなで楽しむ、っていう一連の流れがいいんじゃないかな、と。

鳥居:いい距離感を保てるんですよね。乗っている時は自分の走りに集中できるし、目的地についたらみんなで話すことができる。バイクって、そんな乗り物だなって思うんです。

渡邉:ツーリングの帰り道、それぞれの家が近づいてきて、一人また一人と離脱していく時って、妙に寂しいですよね。なんとも言えない感情になる。あの現象に、名前をつけてみたい(笑)。

座談会の様子

福嶋:集合した時には一斉にスタートするのに、解散するときはポツリポツリと抜けていく。じゃあね、じゃあね、って。

滝藤:それぞれの家に分かれていく瞬間って、なんだか悲しいですよね。

渡邉:やっぱり、一人で走っているように見えて、一体感を感じているんだろうね。

鳥居:見知らぬライダー同士の挨拶みたいなのも、すごいいい文化だなって思いますね。初めてツーリングに行った時、知らない方に手を振ってもらって、すごく感動しました。

福嶋:私は車に乗っていても、ツーリングライダーにすれ違うと手を振っちゃいます。あちらからは見えないのか、スルーされちゃうことも多いんですけどね(笑)。

鳥居:まだまだ皆さん語り足りないとは思いますが、最後にバイクの魅力を、バイクにまだ乗ったことがない方に向けてお教えください。

滝藤:まずはとにかく乗ってみてほしい、ですね。向き不向きももちろんあると思うんですが、バイク向きの人なら、一度乗ってみたら「楽しい!」ってなるはずなんで。友達のバイクの後ろに乗るのもいいし、自動車免許を持っている人なら50ccでもいいから、風を切って走る楽しみを体感してほしいなって思います。

福嶋:バイクは、シンプルに景色を楽しめるのもいいんです。「そろそろ夏の匂いがしてきたな」とか「聞いたことのない鳥の声がするな」と、五感で自然を楽しむことができるんですよね。
自然の中でも街でも、外の状況がダイレクトに伝わってくるのがバイクだなって思います。

鳥居:いままでいつも通ってた道でも、バイクで走った時に「ここって臭かったんだ!」って気づいたり。

全員:(笑)

福嶋:こんなところに虫がいっぱいいるんだ、とかね(笑)。

座談会の様子
座談会の様子
座談会の様子


このめんどくさいがたまんない。ムービー
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